
イソフラボンを過剰摂取は危険?!上限値の根拠とは
きな粉や豆乳、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれることで知られるイソフラボン。
日本人にとって日常的な食材に含まれているので、身近な健康成分と言えます。
大豆製品が苦手な方でも、サプリメントが多く販売されているので簡単に摂ることが可能です。
そんなイソフラボンですが、過剰摂取は体に悪い場合があることをご存じでしょうか。
イソフラボンはフラボノイドの一種です。
女性ホルモンに似た働きをするので、更年期障害の症状の緩和、それに伴う骨粗しょう症の予防、コレステロールの低下、美肌などの美容効果があると言われています。
1日の摂取量の上限は70から75mgで、サプリメントなどで摂取する上限は30mgが望ましいとされています。
通常の生活では上限を超えることはないと言われていますが、仮に超えるとどうなってしまうのでしょうか。
閉経後の女性を対象に、1日に150mgの大豆イソフラボンを摂取してもらう実験が行われました。
2年半後は正常でしたが、5年経過すると子宮内膜増殖症を発症する人が増加してしまうことがわかりました。
この結果から150mgで健康被害が出ると結論付けられ、上限値はその半分の75mgとされているのです。
別の実験で、通常の食事に加えて27.1mgを追加摂取するグループと、57.3mgを追加摂取するグループとに分けて追跡しました。
すると、27.1mgのグループはエストラジオールの量が増え、57.3mgのグループは減りました。
そのことから、悪影響の出た数値の約半分の30mgを上乗せ上限量として規定したのです。
エストラジオールは女性ホルモンの一種で、不足すると妊娠しづらくなる成分です。
イソフラボン29.5mgと豆乳(イソフラボン75.7mg相当)を摂取する実験では、エストラジオールが約30%低下し月経周期が11.7%長くなりました。
このように、イソフラボンは過剰に摂取すると生理不順や婦人科の疾患を増やしてしまう可能性があります。
上限値はしっかり守って、毎日の生活にお役立てください。